プライベート・スカイ
…もうウンザリだった。

レイナの口から聞かされる話しは、嘘や作り話しに聞こえてくる。

それくらい…現実味を帯びてない、フワフワしたものだった。

「本気で言ってんのか?佳依にレイプされて、無理矢理だけど仲間になって?
だからドラッグの売人にもなる?オレには信じられないんだけど」

「どうして…?私、ウソなんか言ってないのに」

「じゃあ聞くけど、お前は自分の意思がないの?嫌なら逃げるなり、警察にタレ込むなりすればよかったんだ。最初からオレに話してもよかった。

オレは何とかしようとするだろうし、お前を守ってやれた」

「透依にはわかんないのよ…!どれほど佳依が怖いのか…逃げたら殺される気がする。抱かれるのを拒否したら、殺される気がする

そんな恐怖があって、どうしても逃げられなかった…」

オレはレイナの言ってることの半分も理解できない。

不可能なんて、あり得ない。

逃げたいなら、逃げられるはずだ。

レイナは人に依存し過ぎる。
オレにはそう見える。


「どうだかな…
案外、佳依が好きだったんじゃないの?ドラッグを売ると金になったんだろ?佳依から離れたくなかったのはレイナの方なんじゃないのか?」
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