プライベート・スカイ
「ごめんなさい…ごめんなさい…」

レイナは何度も謝ってた。

だからなに?

謝られて、オレの気が晴れるわけもなく
許せる心境にはならない。

「今さらだよ。いくら謝られようが、いくら隠してたことの全てを打ち明けようが、もう遅いんだよ…」

「い…嫌…待って、ねぇ、待ってよ…私、ちゃんとするから」

オレにすがる彼女の姿が滑稽で、オレは気持ちが冷めていった。

「遅いって言ってんだろ!!何をちゃんとする!?こんな風にオレを裏切ってさ!都合良すぎんじゃないか?」

「どうすればいいの?じゃあどうすれば透依の気に入るように出来たのよ?!」

「それくらい自分で考えろ!お前に自分の意思はないのかって、さっきも聞いたよなぁ?

人のことなんかお構いなしに行動してきて、なんなん?その態度」

ヤバいとなったら人の顔色をうかがう。そんなレイナに失望した。

なぁ

オレのこと

好きだったの?



今、聞いたらきっとこう答える。

『好きよ、愛してる』

本心だとは思えない。

その言葉を聞いても、心は震えない。

レイナはオレを愛してるわけじゃないんだ。

オレの優しさと、自己満足できる愛情が欲しいだけ。

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