プライベート・スカイ
「──誰でもよかったんだ。

お前は
オレじゃなくても

自分を愛して守ってくれるなら誰でもよかったんだ」

「そんな事ない!そんな事ないよ!」

「嘘だ。信じられないよ。

お前は抱いてくれる男なら誰でも好きになった。佳依だってそんな感じだろう。

あとは自分の気持ちいいように男が気をつかってくれたら良かったんだ」

「違うわ!なんでそんな風に決めつけるの?」

「じゃあ自覚がないだけだ!オレ一人を愛してるわけじゃないんだ!

オレがどれほど傷ついて失望させられたのか、お前に分かんのか!?

もういいよ!もう嫌だ!」

オレは財布から、札束全部を抜きレイナに投げつけた。

「きゃっ」

「やるよ!もうこれでドコにでも逃げろよ!」

オレは一緒に逃げない。

そんなの違うから。

レイナへの気持ちが醒めた感触を持ちながら、まだ何とかしたいって思ってる気持ちがあるんだ。

裏切られたことを

信じたくないと、まだ願ってる自分。


どうすればいいのか、自分でも決められない。
でも逃げるのは違う。

だけど今のままじゃ、レイナはダメになる。

レイナはオレの足にすがり、懇願した。

「お願い!行かないで!」

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