プライベート・スカイ
「行かないで!お願い!私を捨てないで!教えてよ!どうすればいいの?
どうすれば透依は私を捨てないでいてくれる?!」

レイナは必死に怒鳴った。
子供みたいに
無我夢中だった。



それじゃダメなんだよ…

「──自分で考えろ」

「わかんない!わかんないから教えてって言ってるの!」

「お前、全然オレのこと考えてくれないんだな。そうやってオレに依存して、自分なくして、幸せになれんのかよ?」

「わかんないよ…!わかんない!だって、私今までずっとこうして生きてきたの!

いきなりそんな事言われたって、上手くできないよ!

わかんないよ!わかんない!わかんない!」

レイナは癇癪をおこしていた。

まるで子供そのもの。望みが叶わないから泣き叫んでる。

愛されたいと願うだけで、相手を愛することを知らない子供と同じ。

「自分を不幸だって思うな」

「なんで?そう思うのは当然でしょ?私が今までどんな風に生きてきたか、透依には理解されてると思ってた」

「分かってたよ。でもそれで不幸だと思ったら、本当に不幸になってしまう」

「透依が何を言いたいのかわかんないよ…」

「…自首しろって言ってんだよ。警察に」

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