プライベート・スカイ
アマゾンが開き直って言った。

「えっ?」

'もういい'って…

「荷物まとめなさいよ!今日からあたしんちで一緒に暮らすんだから!」

「は…?い、一緒に暮らす?!」

「そうだよ!だって見てないと青山さん、お酒ばっか飲んでんだもん!」

「いや、だってさ…」

「文句は言わせないよー!!ハイハイ、バッグに服を入れて!なんからパンツだけでもいいよ!」

「えー…アマゾンと一緒に住むとかって…ないんだけど…」

「ほら、早くしろって!」

オレが独り言のように反論を呟いていても、アマゾンは聞いてるんだか無視してるんだか

構わず勝手に荷物をバッグに入れ始めた。

「こんな所に独りで居るもんじゃないよ」

…そんなの分かってたけど、さ

他に行くトコもなかったし。

アマゾンが呼んだタクシーに荷物をたくさん載せて
オレも後部座席に無理矢理、押し込まれた。

「ハイ、あたしんちに出発~!」

アマゾンは楽しそうに言った。オレとのプチ同棲が楽しみなのかどうかはわかんないけど…

正直オレはホッとしていた。

アマゾンが『もういい!』って言った時

オレがワガママだから

捨てられるんじゃないかと思って怖くなったんだ…
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