プライベート・スカイ


──独りは嫌だ。


酒に酔ってしまえば平気になるような気がしても、眠って目覚めた時に独りだと

どうしようもない不安と孤独に覆われる。

アマゾンん家に行けば、それは少しなくなるという期待があった。

アマゾンに甘えてる自分に気づく。
そしてホッとする。

…重症だよな…オレ…




タクシーが彼女のアパートの前に停まり、アマゾンに急かされながら荷物を降ろして部屋に向かう。

そう言えば、アマゾンん家って初めてだ。

「入って、入って!」

「お邪魔します…」

「'ただいま'でしょ!?これから住むんだから!」

「別にどうだっていいじゃん!」

「よくない!コレ重要ね!ハイどうぞ!」

う…

なんか恥ずかしい。

でもアマゾンは'ただいま'の言葉を期待して待っていた。
このままじゃ部屋に上げてもらえない。

オレは照れながら、そっぽを向いて言った。

「た、ただいま~…」

「おっかえりぃ!」

アマゾンが笑顔でそう言ってくれた事が嬉しかった。





中に入ると、思ってたよりも広かった。
これって2LDKかな?

「青山さん家と比べると狭いけどね~!あ、こっちの部屋を使って」

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