プライベート・スカイ

もうこんなに穏やかな気持ちになる事はないんだと思っていた。

心を不安と繋いでいた枷みたいなものが外れた気がして、フッと軽くなる。

この空気を創り出しているのはアマゾンだろう。
オレ独りでは絶望から抜けられなかった。

───歩き出せるかな

今より、もう少しだけ先に。



また誰かを信じて生きていけるだろうか。

裏切られるのは怖いけど、アマゾンと一緒に居れば平気な気がしてる。





「青山さん、レイナちゃんが好きだったものを教えてあげる」

そう言ってアマゾンはポケットから携帯を取り出した。

そして手早く携帯を操作している。

「もしかして聞いてたりするかな?あたしも好きだったからさー」

「いや、多分知らないけど?」

「そう?このブログなんだけど」

アマゾンがオレに携帯の画面を見せた。

「レイナちゃん、これが好きって言って仕事ん時とかよく見てたの。きっと気持ちが落ち着いたんじゃないかな

って?!ちょっと、どうしたの?青山さん」

オレは涙をボロボロ流していた。
我慢なんかできずに涙は溢れてくる…

アマゾンが見せてくれたブログは




『プライベート・スカイ』


オレのブログだ…
< 364 / 379 >

この作品をシェア

pagetop