プライベート・スカイ
電話の向こうでも、きっとそう思ってるに違いない。

あたしとアズマの、お別れの時。

『まぁいいや、とにかく何かあったら…最後には思い出して連絡くらいしろよ』

「うん…アズマも元気でね」

『ああ、それと!俺言ったっけ?ホントはお前とエッチなんかしてねーんだよって話し』

「えっ?!嘘っ!?
だって、初めて会った時にSweetPain飲まされて…

記憶がないけど、しちゃったんでしょ?」

『SweetPainじゃなくて、睡眠薬を飲ませて眠らせたんだ』

「なんで…」

わざわざそんな事をした理由がわかんなかった。

アズマは冗談っぽく、適当に答えた。

『だってお前、穂貴の女じゃん?それに抱きたくなるような色白の可愛い女ってわけでもないしー』

意味のない行動に思えたけど、答えを聞いて

アズマは普段は表に出さないけど案外、義理堅くて律義な男なんだって事を思い出した。

「アズマぁ…」

急に涙が出て、我慢したけど涙声になる。

友達の女だからって理由だけで、あたしはアズマに大切に扱われていたし守られてた。

『バカ、泣いてんじゃないよ。切るぞ?またな』

「ありがとう…」


好きだったよ。
サヨナラ…
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