プライベート・スカイ
「うん、だからね、落ちた花を集めてたの。たくさん空から降ってきたら綺麗かなぁって思って」

そう言うと、女のコは片方の手に持っていたコンビニの小さなビニール袋と、違う手に握っていた桜の花びらを見せてくれた。

「なるほど!それを上から撒くのね!でもそれだけじゃ足りないよね」

「うん。いっぱいなきゃダメだよね?だからたくさん拾わなきゃいけないんだ」

「よぉーし!あたしが手伝うから、頑張ろう!」

「えっ、お姉ちゃんが?いいの?」

女のコはホッとした笑顔を見せた。

自分で立てた途方もない計画に心細くなったり、迷っていたのかもしれない。

「いいよ、時間あるし。あっ、そうだ!お姉ちゃんのお友達も呼んでいい?」

「うん、でも──」

「大丈夫、大丈夫!お友達も暇だからきっと手伝ってくれるよ!」

そう言うとあたしは携帯を取り出した。
もちろん暇なお友達とは青山さんの事。

『RRR…何?アマゾン』

「きゃああああああっ!!助けて青山さん!!」

『なっ…どうした!?』

「今すぐ来てぇ!!来てくんなきゃ死んじゃう!」

『どこに居るんだ?!』

「土手!早く来て!」

あたしはニヤリと笑って電話を切った。
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