プライベート・スカイ
──アマゾンからおかしな電話があった。
いまいちよくわかんない電話だったけど、オレは慌てて家を出た。
アマゾンまで失いたくない。
そんな恐怖が後ろから迫ってる気がして、言われた場所まで無我夢中で走った。
「?!」
土手にはたくさんの人、人。
確か土手って言ってた気が…間違いか!?
周りをキョロキョロして慌てるオレに、アマゾンが声をかけてきた。
「青山さーん!こっちこっち」
元気そうにオレに手を振るアマゾン。
近づくと、アマゾンはしゃがみ込んで何かを始めた。
「…何してんですか?雨峰さん…」
「桜の花びらを拾ってるの。青山さんも手伝って!」
「…はぁ?」
「この子のママがねー入院中で桜が見られないからって、花びら集めて病院の屋上から撒くんだけど
これがなかなか大変なのよぉ」
アマゾンの横には小さな女のコが必死に花びらを拾っていた。
さっきの電話はオレを来させる為のイタズラだったと気づく。
…怒るに怒れないじゃねーか…
ったく、アマゾンってバカだよな。
でもそういうトコがアマゾンらしくて好きだったし助かってるのも事実だ。
「しょうがねぇなー手伝ってやるか!」