プライベート・スカイ
「あっ、ありがとぉ!なるべく綺麗で折れてない花びらを拾ってね!袋にはびっしり詰めないで、フワッと、ホワッと入れるの!わかった?!」

「分かってるよ!うるさいなぁ」

アマゾンのワケのわかんない説明と指示にイラッとしながら答えると、隣にいた女のコが申し訳なさそうに言った。

「あの、お忙しい所すみません…」

おぉ?
小さいのにしっかりしてらっしゃる。

アマゾンも見習えよな~ま、人の事は言えないけど。

「大丈夫。オレ暇だから。名前は?オレは青山透依」

「春陽。麻生春陽」

「春陽ちゃんか。ママはなんて名前?」

「ママは麻生沙雪です」

「ママって何歳?美人?」

「こらっ!青山っ!何を質問してんの!」

アマゾンがオレに向かって怒鳴った。

ちっ…地獄耳だな。

「なんかモチベーション上げようかと思って…」

「相手は人妻&妊婦よ!ったく、なに考えてんのよ!早く拾いなさいよ~」

呆れながら、アマゾンも笑っていた。




こんな風に、オレ達
笑えるようになったんだ。

冗談やバカな話しもできるようになった自分に驚く。

いつ死んでもいいとさえ思っていたのに


少し寂しいけど、生きてるって事なんだ。
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