プライベート・スカイ
ビニール袋、三つ分。

三人で桜の花びらを必死に集めて、これだけ集まった。

これで丸二日を費やした。もう日が暮れてしまったので、作戦決行は明日の昼間って事にして

お昼少し前に、春陽ちゃんに教えてもらった病院にアマゾンと二人で向かった。

病院のロビーで春陽ちゃんと待ち合わせ。

「あ、アマゾンさん、青山さん!」

「春陽ちゃん、ママは?」

「病室に居る。窓を開けておいてって看護師さんに言ってきました!」

「オッケー!じゃあ、青山さんは下で沙雪さんが外を見るのを確認したら合図して。あたしと春陽ちゃんは屋上から桜をまくから」

昨日考えた作戦通り。それを一応、確認する。

「わかった。屋上、気をつけろよな?」

「うん。よろしく~。よし、春陽ちゃん行くよ!」

「うん!」

二人が花びらの入った袋を抱えてエレベーターに乗り込むのを見届けると

オレは外に出て、教えられた病室の方へと回った。




確かこの辺…


しばらくして屋上に目をやると、アマゾンが手を降っていた。

場所もオッケーだな。

すると、春陽ちゃんが大声でママを呼んだ。

「ママ───!!外見て!」

「麻生さーん!麻生沙雪さぁーん!」
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