プライベート・スカイ
黒いキャバ嬢のアミは…本人の言った通り、慣れてないせいか

メチャメチャ手際が悪かった。

お酒を注ぐだけでも、なーんか必要以上にキョドってるし。

「アミちゃんって入ったばっか?こういう仕事って初めてなの?」

「あたしって、昔から不器用なんですよぉ」

「大雑把なんだ?」

「あっ、でも料理とかは上手いですよー!おいなりさんとか!」





…なんか会話が噛み合わない。

なんだコイツ…

質問の答えがまるで返ってこねぇし。

オレは少しイライラしていた。

「なぁ、さっき'アマゾン'とか言われてなかった!?」

「アダ名ですー。本名が'アマネ'なんで」

「はっ?!ほ、本名?」

「黒いからじゃないですよーまぁ、ちょーっとだけ色黒ですけど」

なんかサラッと本名を言ったぞ!?

普通、そんな簡単に言うか?
しかも初めての客に!指名も入れてねーのに!

あー、もう『アミ』なんて源氏名要らねーじゃん!

もう『アマゾン』でいいと思うんだけど。



「アマネって…変わった名前だよな。
てっきりオレは黒いから、そんなアダ名がついたんだと思った。

あんまり言葉も通じないしさー」


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