プライベート・スカイ
またその時メールが入った。

『From:佳依
今回分どうするのか連絡しろよ』

いつまでもバックレるわけにはいかないし、かと言って今すぐに辞められるような簡単な話しじゃない。

上手くやらなきゃ、透依も危険だから。今回は仕方ない。

ため息をつきながら、佳依に発注メールを送った。


後悔は波のように押し寄せてくる。

'また'私が売りさばいた小さな一粒が、誰かの人生を狂わせるかもしれない…

そう思うと、途端に心が不安定になる。
透依と一緒に居た時はあんなに安定していたのに…



透依に会いたい。

彼が仕事じゃなければ会いに行くのに。

ううん、仕事だって構わない。会社に行ってでも彼に会いたい。

そんな衝動を必死で抑えながら、私は店をあとにして自分のアパートへ戻った。



昨日も仕事していたし、透依とホテルに行っても眠れなかったから寝不足なはずなのに、ちっとも眠れなかった。

いつも服用してる睡眠薬も効果ナシ。

心がざわついているせいだ───…

そうだ、こういう時は『彼』のブログを見よう。

少しだけ気が紛れるかもしれないから。



開いた『彼』のブログにUPされていたのは曇り空の写真。
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