プライベート・スカイ
空を覆いつくす雲の影からチラリと覗く太陽。雲の隙間から太陽の光が溢れ落ちている。

『俺だって
会いたいって思ってるんだよ?』

そう添えられていた彼の言葉が、透依の言葉みたいな気がしてホッとした。

そうよね、きっと透依だってそう思ってくれてる。

夜には会えるって言ってたし。

透依にメールを送って私は少しだけベットに横になった。






夕方、仕事に行く途中で電話がかかってきた。

『あぁ、レイナ?俺。アズマだけど』

そう言われて、道路の向こう側を見た。
アズマが電話を片手に立っている。

「…今行くわ」

イヤだったけど仕方ない。アズマからSweetPainを受け取らなきゃ。

他人を装うとかえって怪しいから、アズマはいつも私の同伴って事で店まで一緒に行くことにしていた。

その途中で私は発注した薬を受け取るのがいつもの方法だった。

「案外元気そうじゃん?川に飛び込んだ時は死んだと思ったよ」

「死んでも構わなかったのにね」

あんな事をした自分が信じられない。たった数日前なのに、この心変わり…自分でも驚く。

こんな男を本気で好きだったなんて、どうかしていたわ…

ある種の病気だったみたい。
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