プライベート・スカイ
あー!やってらんねぇ!スーツはドロドロだし!

「申し訳ありません、本当に申し訳ありません…」

マスターはひたすら平謝り。

タオルであちこち拭いてもらっても元に戻るわけじゃないし。

「今夜のお支払は無し…という事で、なんとか治めていただけませんか?」

マスターの提案に、オレは納得できるはずもなかった。

「そんなことよかさーレイナ謝りに来ないの?タダにするから帰れって言われたって許せないんだけど」

「あ…はい…それは確かにお客様の言う通りですね」

「そこらへんとかさ、ちゃんとしてくれないとオレは二度と来ないよ?」

──二度目は来る気なんてサラサラなかったんだけど。

アマゾンといい、レイナといい…

この店じゃ全然気持ち良く飲めねぇじゃん!

だからこそ謝ってほしかった。

っーか、金の問題じゃねーよ!

オレがガンコに譲らない姿勢でいると、マスターは諦めて言った。

「では…ココではなんですので、事務所の方でよろしいですか?」

「オレはどこででも。あの女がちゃんと謝ってくれんなら」

「ではこちらへどうぞ」

オレはマスターに事務所に案内された。

「今レイナを連れてきますので…」
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