プライベート・スカイ
『…別に。それで?穂貴の彼女がオレに何の用?穂貴のフリしちゃってさ』

うっ…
どうしよー…

何にも考えてなかった!でもでも!なんか半分くらいは目的がバレてる気がするの!

なんかもう引き下がれないし~

『穂貴どうしてる?』

…よ…よしっ!

「…何か知ってるんでしょ」

『何が?』

ムカー!!
明らかに知ってるのにわざと言ってんな!?

「お…穂貴にSweetPain渡したのはアズマさんなんでしょ?!」

『───お前、'アレ'の名前まで知ってんのか?まさか、穂貴に聞いたのか?』

急に声が低くなった。さっきまでの笑い顔が消えたことが分かる。

「違うよ!自分で調べたの!直接なんて聞いてない!」

聞けないし…

『ふーん、それで?もし俺が穂貴にアレを渡したとして、それが何だって言うんだ?』

確かにそうだけど、お兄ちゃんに渡した経緯とか、あの薬の正体を知りたいんだもん!

「…あたしもアレが欲しいんだけど」

『──止めとけよ』

「お金なら払うから。ね、さっき佳依って人とメールしたの。'顧客'ってなんのこと?」

『…分かった。とりあえず会おうぜ』

──上手くやった…


あたしはそう思った。
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