Cross
私はすでに到着していた送迎車に乗り込んだ
「あやめお疲れ〜」

声をかけたのは有馬優希
バイトの送迎をしている


「疲れた〜」


私は煙草に火をつけながら言った

「高校生は煙草吸わないの〜」

優希が運転しながら話しかけてきた
シカトする私にお構いなしの優希は続けて


「子供できたらやめなきゃなんねーじゃん?」


―子供…


私の心臓はどくんとなったのがわかった

「子供なんていらないよっ」

「なんで?あやめって子供嫌いなん?」


愛せないから…私はそう呟いたけどその声は優希に届いていないようだった


そうこうしているうちに事務所に到着した

< 15 / 66 >

この作品をシェア

pagetop