Cross
その時だった
チャイムがなった
時計に目をやると職員室に集まれと言われていた時間をさしていた


「あっ…やっべっ…お前も早く教室いった方がいいぞ」


慌てて立ち上がると
彼女に後ろから手をつかまれた
「…ありがとう」

「え?」
後ろを振り向くとうつむいて恥ずかしそうに


「泣いてくれて…ありがと」

そう言って顔をあげあの悲しい笑顔を見せる


「…泣いて…ねぇよ…」

彼女のまっすぐで素直な言葉に少し戸惑ってしまった


彼女は不思議そうな顔をしていたが
俺はいそいで職員室にむかった

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