Cross
私には選択肢なんてなかったの

最初から答えは決まっていたから

どんなに綺麗なものでも
黒に染まったものは白にはもどらない

誰よりも自分がそれを知っていたから


ごめんと君はそう言って泣いていたけれど

私の頬には涙が流れる事はなかった


酷いと責める?
冷たい人間だと軽蔑する?


自信がなかったの愛されたことのない私が
誰かを愛するなんて


いつかその目が黒い世界を見てしまうなら

いっそ……
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