Cross
しばらくの沈黙が続き
沈黙をやぶったのは私だった

「ねぇ…先生?」


「ん?」


彼は私の顔を見ずに
答えた


聞きたい事は山ほどあるのだが何から聞けばいいのか言葉がつまってしまう


「何だよ?」

彼は少し離れた場所にある椅子に腰掛けながら
不思議な顔をしている


「…この間の人…先生の彼女さん?」


口からでてきたのはこの質問だった


「桃華の事?違うよ。ただの幼なじみ。」


「そうなんだ〜あの人も研修生だよね?綺麗な人だよね。男子にもすごい人気だよ。馬鹿みたいにさわいでる」


お世辞とかではなく素直に美人な人


「黙ってれば可愛いんだけどな。」

彼は少し苦笑いして答えた
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