Cross
診察結果はやっぱり捻挫だった

結果をきいた彼は安心したように
「ぼーっとしながら走ってるからだぞ」
なんて言いながら


「家まで送る」と言ってくれた


家に向かう途中

♪♪♪
先生の携帯がなった
「もしもし?」

「いや…今生徒を病院連れてってて」

「えっ…ちょっと…待てって………ああ…わかったわかった」


そんな会話をして電話を切った


「どうしたの?」
私がたずねると

「なんか桃華がさ今日大学に出さなきゃいけないレポートがあるから大学にいるんだと〜んでひろってけってさ」
彼は苦笑いしながら言った

「じゃあここでおろしてくれていいよ?家近いしバスもあるし」

私は彼に悪いと言う気持ちもあったが
正直あの人は苦手


「いいからお前は黙って乗ってろ」
そんな私の気持ちに気付く訳もなく彼は言った


「でも…」


「いいから」
これ以上抵抗しても無駄だと思い

これ以上は何も言わなかった


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