Cross
レポートも終わりかけた頃・・・

「あっ…」
桃花がいきなり声を発した
桃花の手には一枚の写真
それを見た瞬間とっさに桃花の手から写真を奪いとった

頭で考えるよりも先に
体が動いていた


「ごめん…」
俺は桃花の顔を見ないで言った



桃花はうつむいたままだった

「ごめん…」

もう一度俺の口からこの言葉がでた

「祐介…まだ…」



「やめてくれっ!!」
桃香が話しおわるまえに言葉がでた
俺の叫び声に桃花は一緒びくっとしたが


「帰る。」桃花の大きな瞳には涙がたまっていた
そう吐き捨てたあとそのまま鞄とコートをもって


勢いよく部屋を飛び出してしまった
消えていく桃花の足音だけが俺の耳に響いていた


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