青春


『うんっ…』

自分に嫌気が差す。

心の中で深いため息をつく。

「…で、ど~すんの?取りに行くの?」

『ど、ど~しよっ。バス来ちゃったし…――』

「――乗りますかっ?」

バスの運転手さんは身をのり出し、私たちを見下ろした。

「…どうすんの?私悪いけど、初めっから遅刻するのゴメンだよっ」

『う、うん。だよねっ。じゃ、じゃあ私も行くよっ』

「………」

私と奈留はせっせとバスへ乗り込んだ。

< 5 / 55 >

この作品をシェア

pagetop