僕は…あたし!



すると、康は深呼吸をして言葉を発した。


「結…

俺、お前が好きなんだ。

俺と付き合ってよ。」


思いもよらない康からの告白に頭が真っ白になった…。


………。


思考回路をフル活動させ、やっと正気に戻ったあたし。


『…ごめんなさい…。

あたし、好きな人がいるの…。

凄く、好きなの。

だから…その…康とは、付き合えない…。』


辿々しい言葉だけれど、今の気持ちを伝えた。


「それって…

修の事?


だったら、やめとけよ。
アイツ、結の事好きじゃないって言ってたし。」


知ってるよ…


修があたしの事、好きじゃないの…


知ってる…。


だけど…


好きすぎて仕方ないの…。


あたしは、我慢してた気持ちが溢れ出した。


気が付くと涙が出て、止まってくれない。


次の瞬間、康はあたしの腕を引っ張りあたしを抱き締めた…。



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