私の名前
「恵ってこれから呼んでね?」
「いや、多分…無理」
は?
「なんで?今、呼べたじゃん」
なんで今日だけ限定なわけ?
「いや、名前呼ぶの…緊張すんだよ!」
緊張…??英樹が…??
「……するの?」
だって私たち、ほとんど経験済で…。
「どーでもいい奴なら呼べるけど…」
英樹が私の肩に自分の顔をうずめる。
「好きな奴の名前は呼べない、」
英樹、耳も真っ赤だよ…?
「好きすぎて、大切すぎて、呼べない」