私の名前
「ねー、英樹」
「なに?」
いいよね、真面目に聞いても。
「なんで名前で呼んでくれないの?」
「……え?」
あれ?今、間があったよね?
しかもなんか、顔が赤い。
絶対、理由があるんだ。
「なんで?ね、なんで?」
顔が赤くなったってことは悪い理由じゃないはず。
だったら気になる!その理由!
「いいだろ、別に」
あっ、なんか不機嫌になったし。
でもこの気になる気持ちは、今更どうしようもない。