Leave a prove
そう…今年が最後なのだ。このチームで、戦えるのはな。

「…そうだな。トーナメントだから、負けたら終わりなんだよなぁ…まだまだ、終わらせたくないよな!」

直輝は、去年の悔しい思いを思い出したのか、言葉を張り上げる。

「おうよっ。負ける訳にはいかないんだ。全国で負けた借りを返すまででは、終わらせる訳にはいかないんだよ」

俺達は、過去の清算をしないといけない。負けっぱなしじゃ引っ込めないからな。

「俺達だって、必死に練習してきたんだ。意地ってのがあるからよ…このまま終わる訳にはいかない」

勉強や他のスポーツで負けるのは構わない。だが、サッカーだけは、俺の人生そのものなんだよ。

俺のプライドにかけて、この大会は死んでも勝ちに行くぜ。

その後俺達は、地区大会を順調に勝ち進んでいき、全国の切符をかけ、決勝戦に進む事になった。

今年の大会は、他県が会場になる為、俺らの県からは、1チームしか出場する事が出来ない。つまりは、この決勝戦に勝ったチームが全国の切符を手に入れる事になる…。

会場は、運動場にあるプロの選手が使っている試合コートでする事が決まっていた。

そんな事もあり、俺らの学校も相手の学校も全校応援になったのか、プロの試合が始まるかの様に、席が満席になっていた。

「すげぇ人だな。流石に、これだけの人の前だと、緊張しちまうよ」

直輝は、客席の方に視線を送ると、少し緊張した顔つきで独り言を漏らす。

「キャラじゃねぇって。人前で緊張するタマかよ」

俺は、直輝の肩に腕を回し、引き寄せる感じで詰めよる。
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