Leave a prove
春貴と友里の関係。それは幼馴染ではなくただの友達の関係だ。

友里にしても彼氏はいるし、春貴にしても彼女が居る。でも二人はサッカーという繋がりがあるので、昔と変わらない関係が続いていると言える。

でも二人の関係は、知らない人から見ればただ仲が良いという風には見えないという何かがある様に見えた。友里の彼氏である直輝は春貴と友里の関係を一番理解しているので、何も心配をしていない。

親友であり仲間でもある春貴と友里の関係は、自分が付き合っているとはいえ、関係が疎遠になる方が直輝にとっては苦痛になるのだ。なので、二人が仲好く会話をする事は、直輝にとっては何の問題もないのだ。

でも真紀にとっては…友里と春貴の関係は、一番の不安要素になっているのだった。

自分には見せない一面を友里に見せているという現実が、真紀の心に何とも言えない不安を残しているようだった。

そんな真紀の雰囲気を察している様に見える拳だが、特に何も言う気配はない。人の恋愛に口出しする趣味はないようだ。

「そろそろ始りそうだな。負けたら精一杯けなしてやろうかな」

「あんた何しに来たのよ。友達なら励ますのが普通でしょうが…」

縁起でもないような事を平気な顔で言う拳に、不機嫌そうな顔を隠すことなく向け、文句を言うサクラ。

二人が調子良く会話をしている中、複雑な心中を表に出す事なく、無言でコートを見つめる真紀の姿があった。

そして試合は折り返し地点の後半戦が始まる。

両チームとも前半戦は様子見の状態。後半勝負の負けたら終わりの試合で、そんな結末が訪れるのだろうか…。
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