Leave a prove

自分の荷物を片付けようとしたら、友里や後輩に止められ、早く病院に行けと言われた俺は、その言葉に甘えることにする。

そして俺は、保健の先生に肩を借りながら試合会場の外に向かう。保健の先生は入口まで車を回すと言って、ちょうど良い場所まで俺を運ぶと、自分の車に向かった。

俺は保健の先生の到着を待っていると、後ろから声をかけられた。

「春貴っ！足…大丈夫なの？」

駆け足で俺の下に来たのは真紀だった。ひどく心配そうな表情をしており、何だかそんな真紀の顔を見るのが辛くなる。

けどそんな真紀に心配をかけたくない俺は、元気良く返事を返した。

「心配ねぇよこれぐらい。少し冷やせば痛みも引くさ」

「でもっ！…友里ちゃんは骨に異常があるかもしれないって言ってたよ？」

友里め…余計な事を言いやがって。

「それはまぁ…検査してもらうまでわからないさ」

「そう…だね」

俺が地面に腰かけていると、俺の隣に真紀も腰掛けた。幾分距離を開けるようにして座る真紀。

「今日はおめでとう春貴。これで全国大会に行くことが出来るね」

「あぁ…ありがとう」

真紀は頑張って話題を作ろうとしてくれているのだが、俺は一言で会話を終わらせてしまった。

その後は無言で二人で座り込み、遠くを見つめるように黙り込む。

少しの間は静かな時を刻んでいたこの空間も、試合が終わったことにより、辺りで騒がしさが増してきた。試合が終わった事もあり、各学校の生徒達が帰路に着くために次々と観客席から出てきたのだ。

その人の数や１０００人を超す勢いの人数である。そんな人の波が、面白いものを見つけたかの様に俺等に話しかける。

からかう人も居れば、俺の脚を心配してくれる人もおり、俺は出来るだけ笑顔で冗談を交えながら返事を返していた。

そんな中保健の先生は、車を俺の居るところまで進めてきた。先生は車を俺たちの居る前に止め、車から降りてきた。

「お待たせ。じゃあ行こっか？」

「はい…じゃ俺は病院に行くわ真紀」

保健の先生が俺に肩を貸そうとすると、後ろから俺の体を支えてくる人物が出てきた。