Leave a prove
俺はその当時、母さんが死んでしまったことをどうしても受け入れることが出来なかった。

葬式の時に見た母さんが今にも起きていつもの様に「おはよう晴貴」と言ってくれそうなぐらい穏やかな顔をしていたからだ。

だから俺は母さんに起きてもらおうと思って母さんの死装束を掴んで母さんのことをずっと呼んでいたんだ。
「母さん朝だよ!」
って。

そしたら父さんが優しく俺を後ろから抱き締めて「母さんはもう起きることはないんだよ」と泣きながら俺を母さんから引き離したんだ。
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