Leave a prove
真紀は覚悟が決まったのか真っ直ぐ俺を見詰めてきた。

その目にはもう怯えも戸惑いもない…大きな目を俺に真っ直ぐとぶつけてきた。

そしてゆっくりとした足取りで俺の前まで来たんだ。

回りの野次馬のざわざわとした雰囲気も消え、裏庭は本来の静けさを取り戻していた。

回りに緊張が走る……俺まで緊張してきたじゃねぇか。

俺の耳には風邪の音までハッキリと聞き分けることが出来る静けさ…そんな中で真紀は誰よりも落ち着いた目をしていたんだ。

そして真紀は一回目をつむり静かに語りだした。

「私は自分に自信がない…スタイルだってサクラさんみたいに良くないし…サクラさんの言うテクニックも私は持ってない…多分堅い女なんだと思う」

静かに…だけどハッキリと真紀は言葉を紡いでいった。

後ろでサクラがクスッと笑ったのが目に入った。

けど俺は真紀とは目線を外さない…外せない……真紀が小さい勇気を振り絞って俺なんかに告白しているんだから……最後まで目線を外さないで聞くのが誠意だ。

「だけど私は春貴くんのことが好き…大好き……私は春貴くんを満足させられないけど…それでも…好き…好き……大好きなの!!」

最後に真紀は大きな…真紀の普段からは考えられない様な大きな声で俺に気持ちを伝えた。
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