Leave a prove

菊池先生はそう言うと、練習中見せる厳しい顔ではなく、授業で見せる優しい笑顔を見せた。菊池先生は、普段様々な感情を俺達に見せるんだ。

学校の先生の時は、笑顔の絶やさない教師。

サッカーの顧問の時は、激を飛ばしたり激しい感情を表に出す鬼コーチ。

お遊びの時は、悪ふざけ満開の若者以上、中年未満の謎の男…どの顔も菊池先生の本来の姿であり、俺達にとっては、尊敬出来る人間だと思う。

そして、この表情は俺達に初めて見せるであろう、愁いのある表情だ。

「俺の持てる知識は全て叩き込んだつもりだ。今回の『俺達』の力は全国大会を制覇出来ると確信出来る出来だと俺は思う！後はお前達の気合いと根性を試合で見せるだけだ！」

菊池先生はそう言うと、俺達に円になる様に言ってきた。

その言葉を聞いて、俺達も菊池先生の意図を察した。皆で肩を組み、大きな円が出来上がる…。

「おい友里！お前も入れよ！」

「えっ！？」

俺達とは少し離れたところで様子を見ていた友里は、少し驚いた声を出す。

「『俺達』の中には当然、友里も入っているんだからよ。円陣に入らないのはおかしいだろ？」