Leave a prove
どうにも落ち付かないのだ。

この前は、あんなでかい事を言ったのだが、俺自身は不安で仕方がないのだ。

明日から始まるのは、地区予選であり、言ってしまえば全国大会への通過点でしかない。当然、組み合わせを見ても、苦戦するような相手ではないのだが、油断が出来ない…。

万が一がある…もしかしたら明日負けて、俺は引退する事になるかもしれない。

それを考えると、不安で仕方がなくなるのだ…。

俺はひたすらボールを追いかけた…そして、頭の中で敵を思い浮かべる。

想像…自分の目の前にはディフェンスが居る事を想定して、ドリブルをする。

フリーの場所に走り込む。

的確なシュートを打ち込む。

俺は試合が始まる前から、試合の雰囲気にのみ込まれそうになっていた。

「あれ?神崎君、まだ練習していたの?」

そんな時、俺が一人黙々と練習をしていると、友里がグランドに顔を出してきた。

「おう…なんか落ち付かなくてな。友里こそどうしたんだ?家に帰ったんじゃないのか?」

「少し用事があってね…それにしても、凄い汗の量だね。そんなに体動かして、明日大丈夫なの?」
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