Leave a prove
ドリンクの件もあるが、こうやって友里と二人で話しているのも直輝に悪い気がする…別にやましい事はしていないがな。

「直輝は、別に何も言わないと思うけどね。あいつは神崎君と違ってバカ過ぎるから…細かい事が気にならない人間だもの」

「バカは言いすぎだろう友里。直輝はバカなんじゃない…ただのアホだ」

「うふふっ…そうかもしれないね」

何だか、気分が晴れてきた。さっきまでモヤモヤしていた気分が、今が嘘のように感じられる…。

「ありがとな友里。何か気分がまぎれたよ…」

俺は感謝の意味を込め、友里にありがとうを言った。

プレッシャーは今でも感じる…だが、責任感みたいな気負いはそんなに感じなくなった。

俺は俺のプレーをすれば良いんだ。一人で抱え込んでも仕方ない。

友里の笑顔を見ると、そう言われてる様な気がしたんだ。

「何の感謝か分からないけど、素直に受け取っとくね…それより、早く行ってあげなくて良いの?」

「ん?何の事だ?」

友里は校舎がある方に視線を向け、俺に聞いてきた。俺は友里の見ている方に視線を向ける…するとこっちを見ている真紀が居る事に気づいた。

真紀は俺の視線に気付くと、何を思ったのか、グランドとは逆の方向に歩いていく。

「あれっ?行っちまった…」

何か俺に用があったんじゃないのか?

「神崎君、早く追いかけてあげなくちゃ。…彼女なんでしょ?」

友里はそう言うと、俺の背中を軽く押し、俺にそう言ってくる。
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