男装ホスト*蘭*




 「ママ?」


 ホストクラブオーナーであるママがいる部屋にその綺麗な顔を覗かせた。



 「桜子、入っておいで」


 いつものように
優しい笑顔で招いてくれた。

 桜子はこの笑顔が大好きだ。

 ママは桜子にとって本当の母のようだった。


 「そこに座りなさい」


 白いソファーを指し桜子は素直に座った。


 ママもテーブルを間に向かい合わせで座った。


 ついでにコーヒーも淹れてくれた。



 「桜子、今日は大事な話があって呼んだの」



 ママの顔が真剣になり桜子も小さく背筋を伸ばした。



 「なんですか?」



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