男装ホスト*蘭*



 話が大きすぎて桜子はそれをすぐに整理出来なかった。



 「え……? ママ?
……どうゆうことですか?」


 「言葉の通りよ」


 「だ……だって、ラビエはママの集大成じゃないですか……」


 「えぇ。……だから娘である桜子、あなたにお願いしてるの」


 「……どうして……突然……?」





「私ね、






 癌なの」





 …………桜子は言葉が出なかった。



 息をのみやっと言葉を絞り出す。



「なっ……ママ、そんな冗談……」



「私が冗談で言うと思う?」



「う……」


 ママは……


 そこまでの冗談をつく人じゃない。




 「この前、医者に行ったらね、そろそろ入院しなきゃいけないんだって」


「……でも…

 ラビエのオーナーを変わることないじゃないですか……」


「ふふ……自分の体は自分がよくわかってるって言うでしょ?
わかるのよ。
この体はあと少し」

 そう言うママの顔が……

 笑顔で、


 とても悲しかった。



「そんなッ……

 ママ、諦めないでくださいよ……」


 必死に涙をこらえながら声をかける。


 が、ママは首を横にふって

 「わかってちょうだい。
 それに、こんな弱った体でこのラビエは支えていけないわ。
 あなたなら任せられるの。
 家族のように信頼してるのよ。
 だから、お願い」


 ママは桜子の手を優しく握った。


 「ママ……」



 涙がボロボロ溢れる。


 「今は泣いちゃだめよ。桜子、あなたならできるわ」


 握った手が少し強くなる。


「ママ、私なんかが・・・」




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