Kiss Kiss Kiss
秋山と榊原
それからいつもの倍近い時間を使って私は家に帰って来た。
玄関には見たことのない靴が2つ。
玄関で靴を脱いで、いつものようにただいまって言おうとした時、リビングからパパとママと誰かの笑い声が聞こえてきた。
パパが2日も続いて早く帰ってくるなんて珍しい…
そんなに大事なお客様なのかな…
ゆっくりとリビングに続くドアを開ける。
「………!?……」
そこには見覚えのある人の姿があった。
なんで…なんであの人が…
「なんだ、希美帰って来てたの?」
ママの声にハッとして顔をあげる。
「う、うん、ただいま…ママ。」
「おかえりなさい。今日は大事なお客様が来てるの。希美も挨拶してね?」
そう言われてリビングに入る。
「よぉ…希美。6時間ぶりだな」
「なんで………
榊原先生がここにいるんですか?」