Kiss Kiss Kiss
ゴールドカードを目の前に出されて、私は呆然と立ち尽くしていた。
その間に綾乃さんはいろんな服を私に重ね合わせていた。
「うん!これがいい!」
綾乃さんは一枚のワンピースを手に取っていた。
真ん中に太いベルトがあり、後ろに沿って腰辺りにピンク色のリボン。
膝上10センチくらいのスカートで、縁にはレースのフリルがついていた。
「さあっ!着替えた着替えた!」
そう言って私を試着室に押し込むと近くにいたお姉さんに何やら話しかけていた。
………私、ほんとにこれ着るの?
まるで高級レストランにでも行くような服に少し戸惑いを感じたが、せっかく綾乃さんが選んでくれたんだし、と着ることにした。
「あ……あの…これでいいんでしょうか…」
私は試着室のカーテンから顔だけを出して、近くのお姉さんに話しかけた。
「まぁ!!お嬢様、素敵です!!」
「あ、ありがとうございます…」
姿を見せた私にキラキラと目を輝かせるお姉さん…。
お嬢様…って…私のことなんだ…
と、そんなことを考えていた。
「さぁこれも履いてね♪」
いつの間にか綾乃さんが来ていて、膝から少し上までありそうな長いブーツを片手にして言った。