イジワルな恋人
……茶化したり言葉をかわす時に見せるイジワルな顔。
少しやんちゃで……、悪巧みでもしてるように見える。
そんな亮に口を尖らせて膨れて見せたけど、内心では、亮のその表情に、少しドキドキしていた。
普段あたしから見る亮は、少し偉そうだけど普通の高校生だった。
だけど……今、目の前にいる亮が、やたらかっこよく魅力的に見える。
こんな高いレストランに動揺一つすることなく入って、しかも慣れている様子で、お店の雰囲気に溶け込んでる。
普段、こんなお店にこないあたしは雰囲気にさえ酔っちゃいそうなのに。
「……亮がモテるのがわかったかも」
目の前の亮をボーっと眺めながら言う。
突然の言葉にチラッと視線を移してから、「なんだよ、それ」なんて、笑う仕草も……やたらムードを漂わせる照明のせいなのか、かっこよく見える。
「だって、亮ってやっぱりカッコいい顔してるし、身長だって高いし。
それに、不意にこんなオシャレなお店に連れてこられたら、みんな好きにもなっちゃうよ」
そう言いってため息を落としながら、外の景色に目を移す。
レストランの中庭が、クリスマスでもないのにライトアップされていて、それは思わず見とれるほど。