イジワルな恋人
それに気付いて、抵抗しようともがくも……。
「……、あきっ…や、……んっ、…」
抵抗の言葉が亮のキスでかき消される。
そして、やっとキスをやめた亮が意地悪な表情を浮かべた。
「安心しろ。そこまでしねぇよ……今日はな」
そう言うと、途中までボタンを外した胸元にキスを落とす。
「んっ、……亮? ……もしかして、」
顔をあげた亮が、あたしを見て妖美に笑う。
「……おまえが実感できるように、いっぱいつけてやるよ。俺のしるし」
「え、ちょっ……待って! 体育で着替える時とかにバレちゃ……やっ…亮!! ダメ、だって…ば…っ」
だけど、あたしの抵抗なんかが亮に敵うハズがなくて。
亮のキスが身体のあちこちに落ちていく。
途中覗き見た亮の顔が……なんでだか、いつもと違って見えた。
何かを考えているような、思いつめた表情に感じた疑問が、亮が残していく甘い痛みにかき消されていく。