イジワルな恋人


2人の会話に笑いながら、亮の車に乗り込んだ。


結局、亮を助手席に、関先輩、梓、あたしを後部座席に乗せて車が走り出した。


「梓ちゃんっていつも寄り道とかするの?」

「はい、友達とよくお茶したり買い物したり……でもこんなドキドキするのは久しぶりで緊張してます」

「俺もかなり緊張してるし。奈緒ちゃん達いなかったら絶対だんまりだよ」


車内でも、関先輩と梓の会話はどこかよそよそしくて。

隣で聞いてるあたしは、顔がにやけて仕方なかった。


あんなに降っていた雨はいつの間にか止んでいて……雲は多いけど、太陽も少し覗いていた。


「亮、ゲーセン行こ~」


車から降りると、関先輩が元気よく話しかける。

そんな関先輩を、亮が迷惑そうに見て……。


「……おまえ誘う相手違うんじゃねぇの?」

「違う! みんなでプリクラしようと思ったんだよ。

記念じゃん。記念」



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