イジワルな恋人
「……奈緒、大丈夫か?」
「……んっ、へ、いき……あ、っ」
心臓が信じられないくらいにドキドキしていて……恥ずかしくて。
でも、不思議と不安はなかった。
怖いなんて、言えるわけない。
嫌だなんて……思えるわけない。
だって、こんなに優しいキスも。
こんなに優しい指も。
……あたしは知らない。
こんなに大切に触れられたのなんて、初めてで……。
あたしのためだけの亮の優しさに、
嬉しくて涙が出そうだった。