イジワルな恋人


「……奈緒、大丈夫か?」

「……んっ、へ、いき……あ、っ」


心臓が信じられないくらいにドキドキしていて……恥ずかしくて。


でも、不思議と不安はなかった。


怖いなんて、言えるわけない。

嫌だなんて……思えるわけない。



だって、こんなに優しいキスも。

こんなに優しい指も。


……あたしは知らない。



こんなに大切に触れられたのなんて、初めてで……。


あたしのためだけの亮の優しさに、

嬉しくて涙が出そうだった。









< 378 / 459 >

この作品をシェア

pagetop