イジワルな恋人
【第十八章】 真実の痛み
「亮ー! 開けていー?」
廊下が賑やかになったな、なんて思っていると、突然ドアの向こうから関先輩の声が聞こえた。
「……関、先輩……っ?!」
慌てるあたしに、亮が優しくキスをする。
「……服直しとけ。少し引き止めとくから」
亮に乱された制服を急いで直す。
外されたボタンを閉めていると、胸元につけられたキスマークに気が付いて……一瞬止まってしまった手を慌てて動かす。
直しても直してもどこかおかしい気がして……落ち着かない。
今まで何をしていたか、関先輩にバレてしまう気がして心配だった。
ベットに座っているのも不自然な気がして立ち上がると、関先輩が部屋に入ってきた。
「あれ? 奈緒ちゃん何立ってんの? 座れば?」
入ってきた関先輩に言われて、今まで座っていたベットに座り直す。
……あたし何やってんだろ。
さっきから落ち着かない自分の行動に呆れて少し笑いそうになった時、明るい声が聞こえた。
「奈緒」
急に聞こえた梓の声に、びっくりして顔をあげる。
「関先輩についてきちゃった」
関先輩の後ろから梓が顔を覗かせた。