イジワルな恋人
翌日の教室は大変な事になった。
その理由は、亮の昨日の呼び出しの一件と、あとは今朝のカップル登校。
通学路の途中に止められていた亮の車に、半ば強引に乗せられてそのまま一緒に登校して……。
そのせいで、話題は完全にあたしに集まっていた。
「ちょっとー……、何、どういう事?」
「付き合ってるの?!」
投げかけられる質問の答えに戸惑っていると、どさくさに紛れて梓までもが参加する。
「昨日呼び出されたのって、まさか告白だったの?!」
他の子とは気合いの違う梓に、あたしはもごもごと口を動かす。
「えっと……うん。まぁ」
「で、付き合う事になったの?!」
「……うん。まぁ」
「えー……桜木先輩、なんて告白してきたの?」
一人であたしを質問攻めする梓にたじたじになりながら、必死に頭を働かせて告白の台詞を探す。