イジワルな恋人
【亮SIDE】
「……そんな事言ったのか?!」
昼休みの屋上。いつもと違うのは隣に座る奈緒の存在。
奈緒から受けた報告に、俺は肩を落とす。
「うん……。ダメだった?」
「……ダメだろ。なんだよ、そのだせぇ告白……」
「別にダサくないよ? 言われた時はすごくドキドキして……」
言いかけて不自然に止めた奈緒は、俺から視線を逸らす。
「……おまえが実際に言われた告白か」
「……うん」
「おまえ、そいつになんて答えたんだよ」
奈緒は少し黙ってから、ぽつぽつと話し出す。
「ずっと好きだった先輩だったから、頷いたよ。中一の時だけどね」
「……一日だけ付き合ったって言ってたやつか。
なんで一日なんだよ」
昨日から不思議に思っていた事を聞くと、奈緒は言いづらそうに視線を俯かせた。