イジワルな恋人


「……ねぇ、亮のごはんは?」

「今日はいらねぇ」


……ずっとサボってたから寝てただけだし。


「え、ダメだよ、食べなきゃ。体に悪いよ。

いつも食べないの?」

「別に。適当だな。腹がへれば購買で買うし。

最悪午後帰ってどっかで食うし」

「……いつもそんなにいい加減なの?」


どうでもいいように言った俺に、奈緒が少し膨れて言う。


「……」


俺は奈緒と目を合わせないまま、何も答えなかった。

いい加減なのは確かだったけど、そうに答えたら奈緒がどう思うか……。

少し想像して、なんとなく答えられなくなった。


「もー……」


答えない俺に不満そうな声を出してから、奈緒は視線を弁当箱に落とす。


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