イジワルな恋人


月曜日の朝、あたしはおばあちゃんに起こされるまで起きられなかった。


高校に入ってから、週に最低でも5日はバイトに出ていた。

それに加えて、高校に成績優秀者として特待生で入学していたあたしは、成績を落とすわけにもいかなくて、バイトが終わってからも勉強してた。

特待生でいるうちは、学費が少し免除になるから、おばあちゃんへの負担も減る。

だから、必死だった。


そんな毎日の疲れが積み重なってか、今朝は目覚ましが鳴っても起きられなくて。

あたしが大急ぎで用意していると、玄関のチャイムが鳴った。

……どうせ回覧板かゴミの掃除当番だし、おばあちゃんがでるからいいや。


そんな事を考えながら制服に着替えて、鞄を持って部屋をでた。

髪をとかしに洗面所に入った時、玄関からおばあちゃんの声が聞こえた。


「奈緒ちゃーん、彼が来てるけど……」


……彼?

その声に、あたしは慌てて洗面所から顔を出す。

玄関を見ると、そこには亮の姿があった。


「亮、ごめん! 先行って!」


亮の姿に少し戸惑いながらもそれだけ言って、また洗面所の中へと顔を引っ込める。



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