◆~恋色模様~◆
.★*゚ひだまり模様゚*★.
「う、そだ」
「え。 なんで!?」
目を大きく見開いて私に近寄ってくる。
日向くんがこんなに驚くのなんて初めて見たかも…
「だって阿部くんが私のことを好きなんて、絶対嘘ー」
「どこが嘘?」
「阿部くんみたいにみんなに囲まれてる人が、私みたいな地味でなんの取り柄もないコ好きになるわけないもん!」
「小林さんっ」
「私を騙してるようにしか聞こえないよっ!」
「小林さんっ」
「だって、だって、だって…「沙菜ちゃん!」
さ、沙菜って……
名前……
「オレ、沙菜ちゃんのこと見てたよ?
ひまわりに対する優しさも、誰もやんないような雑用してたことも、
オレやクラスのコが話しかけたときに照れながら笑う顔も。
見てたよ。
全部、見てた。
だから地味でなんの取り柄もないなんて言うなよ」
「……っく……っ…」
そんなの見てくれてる人がいたなんて思わなかった。
私のことを見てくれてる人がいたなんて思わなかった。
日向くん、日向くん。
「……好き…です」
そう言うと日向くんはまたニッコリ笑ってくれたんだ。
ひまわりみたいに明るくて、元気で。
日向くんの笑顔はまるで太陽みたいで。
それはあたたかい……
ひだまり模様。