労働の価値 その3
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舞台は、
こんなふうに考えられる。

ワトソン君のところへ、
女が、
買い物にやってくる。

そして男が、
売りこみにやってくる。

このとき、
役のきめごとは、
ふたとおり、
考えられる。

ワトソン君が、
もし、
商品をもっているだけのひとならば、
女に商品を売り、
男の商品を買う。

だが、
資本家としてのワトソン君は、
男から商品を買い、
女に商品を売る。

だがどちらでも、
取り引き相手の男も女も、
やっていることは、
同じである。

男が買い手、
女が売り手、
そのままだ。

ワトソン君は、
商品の持ち主か、
おかねの持ち主、
どちらかになっている。

そうして、
ふたりの前に立つ。

どちらのときでも、
男には売り手、
女には買い手として、
立っている。

男の前ではおかねを持ち、
女の前では商品を持って、
立っている。

それ以外には、
ない。

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